大人も子ども一緒に成長できる「ワークショップ」は最先端キーワード

私たちらしい子育てって? 教育についてどう考えればいい?
今、新たな学びの場として注目を集めているのが「ワークショップ」。子どもたちがチームを組んで話し合い、そのときどきのテーマに取り組む。そのプロセスで社会性やコミュニケーション力が養われていく……。企業の社会貢献活動の一環としてワークショップを牽引するCSKホールディングスの田村拓に、カフェグローブ矢野が、ワークショップの今と未来についてうかがいました。

矢野 日本でのワークショップ普及活動ということで言えば、まさに先駆的ともいえるのが、CSKホールディングスの社会貢献活動。独自の子ども向けワークショップであるCAMP(Children's Art Museum&Park)をスタートなさって今年で7年です。「企業が取り組む社会貢献事業の新しいスタイル」としてグッドデザイン賞も受賞なさったわけですが、なぜIT企業であるCSKホールディングスが、一見かけ離れて見える子どもの育成という分野に?

田村 そもそものきっかけとなったのは創業者、故・大川功が開催したジュニアサミット。未来を開く技術であるITの世界を担うのは、未来の主役である子どもたち。そこで彼らの発想力や創造力を引き出す活動をと、子どもたちの育成プログラムがスタートしたわけです。

きっかけはデジタルとアートの融合 そのなかで養われるものの大切さに気づいた

矢野 貴久子さん

矢野 そうするとテーマの中心にあるのは、やはりデジタル技術ということになるんでしょうか?

田村 スタートはそこからですね。やはり得意分野ですから。デジタルとアートの融合というか、デジタルが表現活動にどう関われるかをテーマにしたんです。それが今も人気の「クリケットワークショップ」です。9ボルトの電池で動く手のひらより小さなコンピュータで、おもちゃを作ろうというプログラムを始めました。京都の研究施設に集まった子どもたちがチームを作って、意見をぶつけ合いながら、協力してひとつのものを作り上げるんです。これを繰り返すうちに、そのプロセスで養われるものの大切さに気づいたんですね。そのことに気づいてからは、テーマはデジタル技術にこだわっていません。ファッションや生き物の世界など、どんどんと分野を広げていっています。

矢野 チームでひとつのテーマに取り組むというのは、仕事を含めた大人の社会に通じるものがありますね。

田村 その通り。大人だって、チームとして成果をあげるためには、コミュニケーション力や社会性が必要でしょう。私たちがCAMPのプロセスで見つけたのは、まさにその力。ワークショップのプロセスで、年齢や環境も異なる初対面の子ども同士に新たなコミュニティが生まれ、社会でたくましく生きていくための力が養われていくんです。

矢野 今の教育現場で失われているもの、もしかしたら、いちばん必要なものかもしれません。

大家族や子どもに注意する大人……今の教育に足りないものがここにある

田村拓さん

田村 昔は兄弟が大勢いたり、おじいちゃんやおばあちゃんと同居していたりして、家庭の中で充分に社会性を身につけることができました。近所にはイタズラを注意する大人もいて、地域全体で子どもを育てようという意識がありましたよね。しかし、今の社会にはその力がない。では学校は? というと、必ずしもその期待に応えてはいません。

矢野 そう。私たちが子どもをもちたい、育てたいと考えるときに引っかかるのがそこの部分なんです。今の教育、今の社会では子どもをもつことに二の足を踏んでしまう。ワークショップには、そういった不安を解消する可能性を感じます。家庭では見えない子どもの一面や、ワークショップを通しての成長を見守ることが、親にとっても大きな発見や成長になるはず。家庭でも学校でもない、「第3の場」として発展しうるのではないでしょうか。

田村 ワークショップには、親以外の大人もプログラムを運営するファシリテーターとして参加します。親でも教師でもない、昔でいうところの近所のお兄さんやお姉さん的存在。子どもたちにとっては、広く社会的な育成の場でもあるわけです。

矢野 cafeglobeユーザーといえば働く女性が中心ですが、子どもを持っている人、そうでない人とさまざまです。たとえば、こういったワークショップに関わることで、子どもを持たない人もファシリテーターとして、子育てに参画する機会が生まれますね。ワークショップは、子どもたちだけでなく、大人の可能性も広げるもの。これを知らないのはもったいない。cafeglobe世代の女性が参加することの意義も大きいですよね。

田村 私たちの思いもそこにあります。もっと多くの子どもたちにワークショップを体験してほしい、大人たちに知ってほしい。しかし我々メンバーだけではキャパシティに限界があります。そこで、外部の方々に広く呼びかけたいとソーシャルネットワークサービスを立ち上げたんです。

矢野 ワークショップを実践している人、教育の専門家が意見交換をしたり、実際ワークショップに参加した子どもや親が感想を述べたりと賑わっているようですが。

田村 専門家同士が語り合うことで、プログラムの新たなアイディアが生まれたり、参加者がワークショップを終えた後に成果を振り返れたりと大いに役立っています。しかし、実践したい人、ファシリテーターになりたい人など、もっと大勢に参加してもらい、ワークショップの裾野を広げたい。ソーシャルネットワークには、それだけの力があると思います。

矢野 そうですね。同感です。cafeglobeユーザーにもワークショップというものから得られる果実といいますか、知恵、を得ていただければ。なにより、その楽しさをより多くのかたがたに知っていただきたい。今回幅広い方々にワークショップの面白さを届けるべく、cafeglobeのなかにワークショップに関するソーシャルネットワークサービス『ちゃぷら』や関連するコンテンツを設置し、それらをcafeglobeが運営するということになったわけです。『ちゃぷら』のコンテンツについては、CSKホールディングス社と協同で提供することで、よりクォリティの高いものを提供できるのではないかと考えています。社会参加の新しいかたちを提案するこの試みに、私自身大いに期待をしています。

田村拓 田村拓 株式会社CSKホールディングス 常務執行役員
ワークショップを通じ子どもたちの「未来を切り開く力」を育む社会貢献活動を、CSKホールディングスの社会貢献推進室長として率いる。世界各国の研究機関や企業とのコラボレーションやオリジナルワークショップの開発なども手がけ、日本のワークショップ環境を牽引する存在。
矢野 貴久子 矢野 貴久子 カフェグローブ・ドット・コム 代表取締役
1985 年4月、株式会社日経BP入社。日経BP社を退職後、1986年より『Oggi』、『FIGARO japon』をはじめ多数の女性誌の編集者として活躍。1999年11月に株式会社カフェグローブ・ドット・コムを設立、代表取締役に就任。

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