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WORKSHOP COLLAGE ワークショップコラージュ Vol.17「キーボード・コレオグラフィー・リミックス」

つくった作品を、さらに新しいものとして生まれ変わらせる

photo リミックスと言う言葉、きっとみなさんも一度や二度は聞かれたことがあるのではないでしょうか。リミックスとは、もともとあるものを組み替えたり、ならびかえたりして再利用し、別のものにすること。今回のワークショップのタイトルには、リミックスの他に、楽器のキーボード、そしてコレオグラフィーという言葉がついています。コレオグラフィーとはダンスなどの振り付けを意味します。となると……どうやら、音と動きを再利用・再構成するワークショップが行なわれそうですね。でも、その元の素材とは何なんでしょう?さっそくワークショップの様子見てみましょう!

あんときのアレ?!


 今回のメンバーは、今年3月に10日間のワークショップを行なった仲間です。作曲家の野村誠さんと作り上げた作品は『キーボード・コレオグラフィー・コレクション2009春/東京』というタイトルで発表されました。それから4ヶ月経った夏休みのある日、再び、ここに集まりました。
 冒頭、野村さんから「きょうは、思いつきを試しに発表してみるワークショップである」こと、さらに「演出家の柏木さんが加わってくれるので、3月とは違うことをやってみたい」こと、また「音は作ってきているので、みんなにはパフォーマンスをやってほしい」という3点が告げられました。

 その音とは……?
CDラジカセのスイッチが入ると、ちょっと不思議な音楽が流れ始めました。「どう?」と聞かれると、こどもたちは「あんときのアレじゃネ?」「あんときのアレだ!絶対。そうでしょ?」「パクってる!」とザワザワ。実はこの音楽、野村さんが3月の作品のDVDからリミックスしたものだったのです。「そう!パクってるわけ。で、この3曲からみんなに1つ選んでほしいんだ」と野村さん。「パフォーマンスって何?」とのこどもからの質問に、「動いたり、騒いだりすればパフォーマンス」「人前で何かやってみせること」と柏木さんが答えます。どうやらこどもたちの頭の中に、今日はリミックスの曲に合わせてパフォーマンスを作り、その日のうちに野外舞台で発表するというフレームがイメージされたようです。

 「パフォーマンスするにしても、手がかりがなさ過ぎる」、「じゃ、手拍子を考えてみるところから始めてみようか?」「次に手拍子に足踏みも入れるよ」。3グループに分かれ、導入部のところのリズムを刻みはじめました。「一人でやると簡単だけど、3グループでやるのがミソだと思う」と野村さん。「ミソってなーに?」とこども。う~~ん。この年頃のこどもたちって、こどもだけど大人、大人だけどこども。ホントに面白い。

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人と作る

 「じゃ、音楽と共演してみよう!」CDからリミックスの曲が流れ始める。「早えーぞ」「ブラボー!!!」「OK、OK」「じゃあ次のパートに行こう」「ここ、どうする?」「みんなで動いてみよう」「グループで作ってみたりする?」「適当に2~5人くらいになってみる?」と、ここで誰と組むかの駆け引きが発生です。なにしろ、微妙なお年頃。だから、野村さんも柏木さんもこどもたちが自分で決断するまで見守るだけ。
 やがてこどもたちは、どんな動きにするか試行錯誤を始めます。何にもないところから、人と動きを作るって、そんなに簡単な事じゃないですよね。縄跳びパフォーマンス組、手拍子組など全く違う4つのグループが生まれました。


 途中、舞台のイメージを頭に入れるために、みんなで現場を見に行きました。間伐材を組んだユニークな舞台が広場に出現しています。再びリハーサル室に戻り練習。こんどは着替えを済ませ、リコーダーのパイプや縄を持っていざ舞台に!客席には家族をはじめお客さんがいっぱいです。短い練習時間にもかかわらず、こどもたちは精一杯舞台で発表しました。舞台袖には、こどもたちを見守りながら、進行役に徹する野村さんと柏木さんの一生懸命な姿があったのはいうまでもありません。

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ワークショップの素敵★みっけ!

キーボード・コレオグラフィー・コレクションDVD

ワークショップの素敵★みっけ!:写真 今回のリミックスの音源となった『キーボード・コレオグラフィー・コレクション2009春/東京』のDVDには、野村さんとこどもたちの共同作品「ウインド・セプテット」、「ごしゃぽん」、「ナナリンピック」が記録されています。低学年チームと高学年チームが一生懸命作った舞台です。ダンスとも違う、演劇とも違う、音と動きのパフォーマンス。これがあったから、今回のワークショップが生まれました。野村さんは「せっかく作った作品を、捨てるのはもったいない。 でも、思い出として押し入れにしまっておくのではなく、新しいものとして、生まれ変わらせよう」と、こどもたちによびかけたのでした。

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こどもの声

面白いから、毎日やりたい。
ほんとは習い事にしたいくらい。
なんで、こういうワークショップやるかって?それは、みんなが音楽になじめるように、でしょう。
舞台に上がっても、緊張はしなかったよ。

親の声

3月のワークショップがすごく楽しかったので、今回も喜んで参加しました。学校の音楽の授業はあんまり好きじゃないようなんですけど、野村さんのワークショップは全然違うから、いいみたいですよ。
音楽と言う言葉が指し示す範囲の広さを改めて確認しました。今のこどもたちは好きな音を選び、楽しんでいます。NHK教育テレビの番組監修をつとめ、出演もしていた野村さんは、言うなればこどもたちやその親にとっても憧れの存在。テレビから日常の生活に流れ込んできた、そんな自由な音遊びに触れて育ったこどもたちが、野村さんや柏木さんとのやり取りの中で、さらに、もう一歩先の表現を獲得していく。その楽しさや、そこで得た自信は、こどもたちの体の中に確実に養分として蓄えられているのだろうなと思いました。
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「キーボード・コレオグラフィー・リミックス」

■取材日
:2009年8月11日
■会場
:東京芸術劇場 大リハーサル室 および アトリウム前広場[But-a-I]
東京都豊島区西池袋1-8-1
■参加者年齢
:8才~11才
■参加者数
:14名
■スタッフ数
:8名
■参加費
:無料
■主催
:東京芸術劇場・東京文化発信プロジェクト室(財団法人東京都歴史文化財団)、東京都
■制作
:NPO法人芸術家と子どもたち

ワークショップ当日の時間割

15:05スタート あいさつ

15:10今回やることの説明

15:30曲を選んで、手拍子でリズムをとりはじめる

16:00動きを入れ始める

16:10グループ分けし、15分で動きを考える

16:35互いの動きを見せ合う

16:45舞台見学

17:15リハーサル

17:40発表

18:25終了

ワークショップ・ピープルへ

素材、道具

CDラジカセ
TVモニター
リコーダー
縄跳びの縄

これからの開催予定

※今後の予定などについては、下記HPをご覧ください
作曲家、野村誠のページ⇒HP
柏木陽 演劇百貨店■子どものための演劇ワークショップ⇒HP
東京文化発信プロジェクト Meet the Kids⇒HP

取材・写真/大月ヒロ子
ミュージアム・エデュケーション・プランナー(有限会社イデア代表) 
美術館キュレーター、チルドレンズミュージアム総合プロデューサーを経て、現在アート、デザイン、ミュージアム、絵本、オモチャのフィールドで活動。著書にアート絵本「まるをさがして」、「コレでなにする?おどろきおえかき」や「新わくわくミュージアム」他多数。